平成11 年に制定された食料・農業・農村基本法や、これに続いて平成14 年に改正施行された土地改良法では、事業実施の原則として環境との調和に配慮することが示されています。このため、ほ場整備や水路整備などの農業施設整備でも、そこに生息する生物や景観に配慮しながら工事に取り組まれるようになりました。
ここでは、弊社が計画づくりに携わらせてもらった県の多自然水路の一つをご紹介します。
完成直後の多自然水路
弊社は事前の環境調査を行い、有識者から助言を受けながら保全対象種の選定、必要条件の整理、整備計画の検討を行いました。また、水路を管理される団体や住民の方との生きもの観察会やワークショップを運営し、合意形成を図りました。
県が多自然水路の工事を行ってから数年後の追跡調査では、20種類以上の魚類や複数のイシガイ科二枚貝類の生息を確認しました。
カゼトゲタナゴ、アブラボテの産卵行動も確認されています。
地元の小学生が参加した工事前の生きもの観察会
多自然水路で繁殖が確認されたカゼトゲタナゴ(環境省 絶滅危惧IB類)
弊社は、環境配慮対策の効果を維持していくための管理方法の検討や、対策の手直しにも力を入れています。
弊社には魚類、植物、昆虫類、小動物、鳥類、農業土木を専門とする技術者が在籍しております。
ご要望がありましたら、お気軽にお問い合わせください。