マンション計画地 土壌汚染状況調査 ~ クリーニング屋さん跡地の巻 ~
● コスト :約250万円
● 対象地面積:約300㎡
● 期間 :約2ヵ月
■お客様からのリクエスト
福岡市某所のマンション計画地で、計画地の一部に過去にクリーニング店(水質汚濁防止法の特定施設)があったことから、行政より土壌汚染状況調査を行うよう指導された。当社としては、土壌汚染状況調査の実施は想定外であり困っている。
2カ月後に基礎工事の着手計画があることから、工事着手が出来るように土壌汚染対策法の関係手続きをクリアにしてほしい。
■手続き完了までの流れ
「地歴調査」⇒「土壌等サンプリング」⇒「分析」⇒「報告書」までを2ヵ月で行う特急業務。
当協会では、市の指導内容を事前に確認するため地歴調査の前に市との協議を行うとともに、
不要な手戻りを防ぐため地歴調査後及び報告書作成後の計3回市との協議を行いしました。
■当協会の対応
○STEP1
まずは、クリーニング店跡地は環境省の資料でも土壌汚染が確認される確率がとても高い旨を
発注者様に説明し、土壌汚染の状況によっては工事着手を延期せざるを得ない旨を説明しました。
○STEP2
地歴調査の結果、ドライクリーニング溶剤として、「ふっ素」と「テトラクロロエチレン」の
使用が確認されたため、土壌とガスのサンプリング試験を行いました。
その結果「ふっ素」は基準適合でしたが、「テトラクロロエチレン」がガス調査で検出され
ました(※1)。
※1:テトラクロロエチレンがガス調査で検出された場合、その時点で土壌汚染ありとは判定されません。
次の段階の10mボーリング調査で溶出量試験を行い、土壌汚染の有無が判定されます。
○STEP3
発注者様に調査結果を報告し、関係者(土地の所有者、不動産会社、建設会社等)で集まり、
今後の調査内容、土壌汚染が有ると判断された場合の対応について、事前に協議しました。
○STEP4
「テトラクロロエチレン」について、ボーリング調査で溶出量試験を行った結果、溶出量試験は
基準に適合していました。この結果をもって、計画地に土壌汚染のおそれはないと判断しました。
■調査後について
市にもこの結果を報告し、土壌汚染対策法の関係手続きを問題なく、解決することができました。
また、予定通りマンション工事に着手することができました。
■雑感
土壌汚染調査ではよく「汚染が出たらどうなるの?」というご質問をいただきます。
汚染が判明した場合は、事業スケジュールやコストに大きな影響を与えるので、
発注者様がその先どうなるのか見通しが立たなくなり、非常に不安になられます。
当協会では、そのような不安を解消するため、汚染が出る可能性があると判断したときは、
汚染が判明した場合の手続きや対策工事、コストについて、出来るだけ分かりやすく説明し、
発注者様にしっかり理解して頂くようにしています。多くの場合、その対応によって不安を
解消されています。
当協会が行う土壌汚染対策法関係のリーガルサポート業務では、事業者、行政、市民等のそれぞれの立場を理解して、最適解を提案してまいります。土壌汚染対策法関係で困った際には、小さなことから大きなことまで、何でも九環協にご相談ください! (担当:仲摩) |