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2023/03/17

土壌汚染の事例紹介シリーズ(4)

臨海工場計画地土壌汚染状況調査 ~海沿いのふっ素調査で思うこと!~


  ● コスト  :約800万円
  ● 対象地面積:約8,000㎡
  ● 期間   :約12ヵ月

■お客様からのリクエスト

 某事業者様から、海沿いの臨海工場計画地での土壌汚染状況調査のご依頼。
 調査対象地は以前焼却灰のストックヤードとして利用されており、比較的小規模であるが廃棄物
 試験室が場内に併設・利用されていた。廃棄物試験室は過去に有害物質を使用していたことが確
 認されており、これを踏まえて土壌汚染状況調査を実施して欲しい。なお、ストックヤードの時
 代から土地の所有者は某事業者様であり、現在も変わっていない。

■対応

 一般的な土壌汚染状況調査(地歴調査+サンプリング調査)ですが、今回の計画地は海沿いであ
 ることから、ふっ素とほう素に注意が必要です。土壌汚染対策法では「土壌汚染」を定義する
 物質として全部で26物質が定められており、物質ごとに「土壌汚染」を定義する濃度が定められ
 ており、これを「指定基準」といいます。ふっ素とほう素の指定基準のうち溶出量基準※1は、
 ふっ素が0.8mg/L以下、ほう素が1.0mg/L以下です。これらは土壌の環境基準(国が目標として
 定める環境濃度)も全く同じ濃度に設定されています。
 ※1:溶出量基準とは、地下水の飲用摂取(毎日2Lの地下水を70年間飲み続けた場合)による健康
     被害リスクから設定された土壌の基準です。

 なぜ注意が必要かというと、一般的な海水にはふっ素が既に1.5mg/L程度、ほう素が4.5mg程度
 含まれているからです(出典:環境省)。つまり、これらの物質は海水濃度の方が、土壌汚染の
 指定基準より高いのです。
 ※2:だからと言って海水浴は健康に悪いということ訳でもないので誤解しないで頂きたい。

 発注者にはこれらの情報を共有した上で地歴調査を行いました。
 その結果、廃棄物試験室の利用等で、六価クロム、シアン等の重金属とともに、ふっ素が汚染
 のおそれがある項目として特定されました。

 発注者様に今後のリスク等を説明し、地歴調査結果に基づくサンプリング調査を実施。その結果、
 ふっ素のみが1.0~1.5mg/L程度で指定基準(0.8mg/L以下)を超過しました。また、指定基準を
 超えなかった地点でもふっ素は0.5~0.8mg/L程度と全体的に比較的高い濃度が確認されました。

 あやしい・・

 諸条件を踏まえると、検出されたふっ素は廃棄物試験室由来ではない可能性があるかもしれない
 なと思いましたが、土壌汚染状況調査では基本的に原因究明は行いません。
 ※3:土壌汚染対策工事の費用等を汚染原因者に求めたい場合で、かつ汚染原因者が究明できる可能
     性がある場合には、原因究明調査を行うことがあるかもしれません。

 結果の報告は、
 「廃棄物試験室での特定有害物質の利用を契機として調査した結果、ふっ素の汚染が確認されま
 した。」とし、これにて業務完了です。しかしながら、汚染が確認されましたので、その後手続き
 を土対法リーガルサポート業務として別途契約頂き、汚染区域の指定、形質変更届出~工事終了報
 告まで支援させていただきました。

■海沿いのふっ素調査で思ったこと

 海沿いでふっ素のサンプリング調査を行えば、海水由来で指定基準を超える高い値が出る可能性
 があるのではないでしょうか。

 今回の計画地は海に隣接しており、地下水の下流側は海しかありません。
 仮にふっ素が地下水に溶け出しても、下流側には地下水の飲用利用はないため、健康被害は想定
 されません。ふっ素濃度が更に高い大量の海水に希釈されるだけでしょう。

 にも関わらず、汚染が確認されたら、工事のコストとスケジュールは大きく変わります。
 工事のコストは、経験上ザックリ1.5倍程度に増えた事例もあります。

 本来このような場所については、土対法の目的(人の健康の保護)から考えても、ふっ素の指定
 基準の取り扱いについて何か特例措置がとられてもよいのではないかと思ったところです。
(あくまで個人の感想です)
 ※4:ただし、工事で汚染土を場外搬出する場合には配慮が必要ですけどね。


土壌汚染対策法は、平成15年に施行された比較的まだ若い法律です。土壌汚染状況調査についても同様に今後検討すべき事項はいろいろとあると思いますが、我々コンサルとしては、現在の法律の枠組みの中で発注者様のリクエストを踏まえ、環境部局にも理解頂きながら、うまくゴールへと誘導することを日々考えております。

当協会の土壌汚染状況調査、ぜひお試しください!(電話相談は基本無料です)

(担当:石岡)



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